2019年04月30日

会社の人事異動や人の動きから見る危ない会社

○業績悪化は人事に現れる
会社の業績悪化が止まらない。このままでは事業の存続すら危うくなる。そこまで追い込まれた会社は、固定費の大部分を占める人件費に手をつけます。 人件費に手をつけるといっても、すぐに従業員をやめさせたりはしません。派遣・パートなどの非正規社員の雇い止め、正社員の配置転換を行って、できるだけ正社員の雇用を守ろうとします。 同僚が突然異動になった場合、誰がどこに異動になったかに着眼すると業績悪化の深刻度が分かります。 ある事業部の業績が悪化すると、まず間接部門の人員削減が行われます。異動先が事業部内であれば、深刻度は大きくありません。事業部内で調整できる余力がまだあるということだからです。 配置転換が事業部を越えて全く関係の無い他部門や子会社になってくると、事業部内人事だけでなく本社人事部がからんでいることになります。本社人事部が動いているということは、今後、その事業部のリストラが計画されているということです。

○異動させやすい人材から異動させる
通常、本格的にリストラを実施する前に、異動させやすい若手を他部門や子会社などに緊急避難的に異動させます。中高年は新しい部署での適応が難しく、また異動先でのポスト確保も困難なので、後回しにされることが多いです。引き取り手のある若手や中堅社員が異動になり、職場は中高年が中心になります。中堅社員であってもエース級の人材は残ります。エースが異動すると事業部の再建が困難になるからです。 異動が困難な中高年が異動になる頃には、事業部の業績は急降下しています。異動先も今までのキャリアとは無縁な職場で、仕事内容も単調な仕事になります。それと同時に希望退職の募集が始まります。 希望退職に応じないベテラン社員は、不慣れな職場に追いやられ、自主的に退職するように仕向けられます。

○経営幹部の転職など人材の流出にも注意しよう
リストラに先立ち若手社員の配置転換が始まると、臭覚の鋭い優秀な人材は、他社への転職を検討しはじめます。 リストラ(希望退職の募集)を始めると優秀な人材が真っ先に応募すると言われていますが、優秀な人材は、先々を見据えて準備をしているからです。逆に優秀でない人材は、普段から自分の仕事ぶりを振り返ることもなく、また目先しか見ていないので、自分がリストラの対象になると驚きます。そして会社にしがみつこうとします。大企業であれば希望退職に応じた人材に割増退職金が支給されます。50代以上のベテラン社員であれば住宅ローンを完済でき、転職先で給料が多少下がることがあっても悠々自適の生活を送れる可能性があります。優秀な人材の中には、会社の業績が悪化していてもいきなりは転職せず、希望退職の募集が始まるのを待つ人もいるでしょう。一方で、好条件で再就職できる先を見つけて、早々と転職する人も出ます。優秀な社員の行動を、業績悪化のシグナルとして注視するとよいでしょう。経営幹部が希望退職の募集を待たず転職する場合もあります。経営幹部は誰よりも会社の実態を知っているので、幹部の転職は非常に危険なシグナルとなります。 誰しも自分が一番かわいいので、沈む船からは、さっさと逃げ出すのです。割増退職金も出ないほど、業績が悪化している懸念があります。
(文:本田 和盛(企業の人材採用ガイド))




ラベル:経営 雇用
posted by 副業探偵 at 14:46| 大阪 ☔| 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月11日

過当競争の歯科業界、倒産ラッシュは「これからが本番」…さらに毎年2000人の歯科医が誕生

今や飽和状態となった歯科医院の倒産が急増している。東京商工リサーチの調査によると、2017年度の歯科医院の倒産は20件で前年度からほぼ2倍(前年度比81.8%増)と大幅に増加し、2年連続で前年度を上回った。現在、コンビニエンスストアは約5万5000店舗だが、歯科医院はそれを上回る6万8791カ所が乱立しており、明らかな過当競争になっている。その上、最近は歯科衛生士の人件費高騰に加えて、患者数の減少も経営に打撃を与えている。一見少ないようにも感じるが、20件台は1994年度(20件)以来23年ぶりだ。東京商工リサーチ情報本部情報部課長の平岩久明氏は、「歯科医院の倒産はこれからが本番。小規模を中心に、経営はかなり厳しい状況になっている」と指摘する。負債ベースで見ると、総額は11億500万円(前年度比36.2%増)で5年ぶりに前年度を上回った。そのうち1億円未満が18件(構成比90.0%)と大半を占めており、小規模倒産が多いことがわかる。平岩氏に、歯科医院業界の実情を聞いた。

●歯科医院が10年で1000近く増えたワケ
街中を歩いてみると、歯科医院は明らかに多い。これには、いくつかの理由がある。まず、歯科医師国家試験の合格者は17年で1983名、ピーク時の10年には2408名となっており、毎年約2000名の歯科医が誕生している計算になる。「歯科医の多くは定年のない個人事業主とみられています。引退は年齢ではなく体力的な事情によるものが多く、そのため歯科医は年々増えていると思われます」(平岩氏)厚生労働省が18年3月に公表した「医療施設動態調査(2018年1月末概数)」によると、歯科医院はこの10年で951カ所も増えている(08年1月末の時点では6万7840カ所)。「内科医や外科医の場合、必ずしも開業医にならずに大学病院や関連病院で仕事をするケースもあります。しかし、歯科医は大学病院などでの枠が少ないのでしょう。そうすると勤務医という選択肢もありますが、もともと個人事業主が多い歯科医院はあまり勤務医を必要としないのです」(同)そこで、歯科医は必然的に独立開業の道を選び、コンビニの数を超えるほど増えてしまったというわけだ。しかも、歯科医院は比較的容易に開業できるという事情がある。医療機器などはリースで初期投資を抑えることができ、いわば参入障壁が低いのだ。
また、歯科医院専門の経営コンサルタントの存在もある。コンサルから自由診療のインプラントやホワイトニング、美容歯科などのノウハウや宣伝手法のレクチャーを受け、利益率の高い施術を患者に勧めるケースもある。そのため、不透明な歯科医院の料金については不満や不信の声もあった。ただ、最近は歯磨き指導や虫歯を防ぐ予防処置に力を入れる歯科医院も増えており、健全性や透明性をアピールしている。各医院は、生き残りをかけて「虫歯治療よりも予防処置に力を入れています」などと特色を打ち出しているのだ。ちなみに、親が歯科医の場合は、子どもも同様に歯科医を目指すケースが多いという。そして、参入障壁が低いとはいえ、開業時は親からの金銭的援助がないと資金集めに苦労するようだ。「開業当初は、親からの援助を運転資金に充てるケースも多いです」(同)歯科医院は利便性の高い駅前に開業するのがトレンドになっており、それも競争激化を招く要因となっている。それでも患者が増えれば問題はないが、日本の人口は2017年10月時点で1億2670万人(前年比0.18%減)と徐々にではあるが着実に減っている。また、テナント代や設備投資に加え、詰め物金属などの歯材や人件費などのコスト上昇も経営を圧迫する要因だ。「詰め物金属を使った治療は保険診療なので、患者ひとり当たりの利益は決まっています。しかし、金属資材が高騰しているため、負担がじわじわと重くなっているのです」(同)今回の調査期間外の18年4、5月にも3件の倒産が発生しており、今後も倒産件数は「小規模医院を中心に増加していく可能性が高い」(同)という。

●増えすぎた歯科医院、今後も倒産が増加か
歯科医院の問題は、倒産だけでなく休廃業・解散も高止まりしている点だ。東京商工リサーチによると、歯科医院の休廃業・解散は15年の65件に対して、16年には168件(前年比158.4%増)、17年には144件(同14.2%減)となっている。「1999年から2009年までは、毎年10件以下でした。それが10年から急激に増え、ここ2年は100件を超えているのです」(同)休廃業・解散は、歯科医の高齢化や後継者不足によって発生するケースが多い。世代交代が進んでいる半面、新規の歯科医院の経営も厳しい状況に置かれている。倒産の具体例について、平岩氏はこう説明する。「人件費などのコスト上昇に加え、来院者の減少などの複合的な要因による倒産が多いです。一方で、最近は集客を見込んで駅前などに新規開業が集中したため、少ないパイの奪い合いで倒産に至っています。歯科衛生士などスタッフの確保も課題です。歯科医院はギリギリの人員で回しているケースが多く、代わりがいない状況になっています」(同)東京商工リサーチの調査によると、「人手不足」倒産は「後継者難」型が中心だが、2017年度は「求人難」型が前年度から2割増となっている。人手不足によるコスト上昇に襲われるのは、「3K」といわれる業界だけではないのだ。平岩氏は「人件費なども含めたトータルコストをいかにコントロールするかが歯科医院の課題」と指摘する一方で、地域医療の大切さも説く。「今は首都圏の駅周辺に歯科医院が乱立していますが、当然ながら地方でも歯科医院は必要ですし、地域医療の充実は大切な課題です」(同)さらなる高齢化に向けて、「今後は歯科医も地域と連携し、訪問医療が増えていくでしょう」と平岩氏は予測する。その訪問医療でいかに患者を獲得するかが、歯科医院の生存戦略といえるのかもしれない。歯科医院業界の見通しについて、平岩氏は「プレーヤーが多いため、競争は依然として激しい。休廃業・解散や倒産も含めて、市場から退場する歯科医院は増加する」とみる。増えすぎた歯科医院の淘汰は、まさに待ったなしの状況のようだ。
(文=長井雄一朗/ライター)


Business Journal / 2018年7月9日 16時0分




ラベル:倒産 歯科医
posted by 副業探偵 at 12:57| 大阪 ☁| 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする