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亡くなった人(被相続人)の財産を相続する権利が誰にあるかは民法で決められており、法定相続人と呼びます。遺言が残っていれば原則それに基づいて遺産を分ければよいのですが、残っていない場合、法定相続人の間で話し合って遺産を分ける必要があります。
法定相続人になるのは故人にとっての配偶者と、子どもをはじめとする血族です。実際に誰が相続人になるかは前提により異なります。まず配偶者がいる場合、その人は常に法定相続人になります。相続に詳しい北野俊光弁護士は「法律上の婚姻関係がある場合が対象で、内縁などの事実婚は認められない。離婚していたら対象外」と話します。血族については優先順位が決まっており、高い人から順番に相続人になります。優先順位が最も高いのは子どもです。子どもがいれば、順位がそれよりも低い父母らは法定相続人にはなりません。ここでいう子どもには養子や認知を受けた婚外子も含まれます。相続時に子どもがすでに亡くなっていた場合、代襲相続といって、孫が相続人となることもあります。
■相続人いないと国の所有に
相続が複雑になりがちなのが子どもがいない場合です。故人の父母ら直系尊属がまず相続人となり、みな亡くなっていれば権利が兄弟姉妹に移ります。さらに、その兄弟姉妹が亡くなっていれば今度は代襲相続により兄弟姉妹の子ども、つまり故人にとってのおいやめいにも権利が発生します。こうして相続人の関係は複雑となりその把握すら容易でなくなります。相続人がいない場合、遺産は原則として国の所有となります。家庭裁判所が相続財産管理人を選ぶといったことになります。弁護士などから選ばれた相続財産管理人は、債権を持つ人などがいないか確かめるため公告し、申し出て権利のある人には遺産を分け与えます。このほか故人と生前浅からぬ縁があった人は、特別縁故者として遺産の分与を受けられる可能性があります。例えば故人と生計をともにしていた内縁者や、療養に努めていた人です。期間内に申し出がなければ、残った遺産は相続財産管理人が現金化して国庫に納めます。
[日本経済新聞朝刊2019年6月29日付]
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